ジョン・クラカワー『空へ』

空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか

空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか

空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫)

空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫)

これはすごい本だ。
エベレストで1996年に十数人が亡くなった大規模な遭難事故が起きた。その時の登山隊に同行していたジャーナリストで、かつ自身も冒険家である著者が、自分がからくも生還したものの何人ものベテラン登山家が命を失ったあの事故がいったいどんなものであったかを振り返る。ものすごい迫力。後半はほとんど読むのがつらくなってくる。
この年は日本人の女性登山家で7大陸登頂を目指す難波康子さんも参加していて、事故は国内でもかなり話題になったそうだ。難波さんは著者のいたロブ・ホール隊にクライアントとして参加し、登頂は果たしたものの帰途で遭難し亡くなってしまう。このロブ・ホール隊とライバル関係にあったのがスコット・フィッシャー隊であり、競うようにエベレスト登頂を目指したが両隊とも隊長を含めそれぞれ複数の犠牲者が出た。ロブ・ホールは過去に4回登頂、フィッシャーも登頂経験のあるベテランだったがどちらも亡くなったのだ。
残りはあとで書く。