『エリン・グルーウェルとフリーダム・ライターズ』

フリーダム・ライターズ

フリーダム・ライターズ

これはすごい。もともとはkdmsnrの日記で見て興味を惹かれて見たくなったのだが、(入手しやすかったので)映画より先に原作を読んでみた。
これすごい。ロス暴動から2年後の1994年にLA近郊のロングビーチの高校に赴任した新任教師(教育実習だったらしい)が、たぶん職場の政治の問題で「荒れた」クラスの国語クラスを担任することになったあと4年間あまりの記録です。
クラスにいるのは、人種間の対立や貧困、ドラッグ中毒、犯罪と隣合わせの生活で希望を知らない子供たちだったのだが、その生徒たちに『アンネの日記』やその現代版とも言える『ズラータの日記』を題材に、自分の気持ちを書くことをうながしてゆきます。
はじめは本を読むことを軽蔑し、他人の言葉に興味を持たなかった生徒たちが、アンネの境遇に共感して涙を流します。家のすぐ前の通りでギャングが銃を撃ち合い、父親がドラッグのために家族からお金を盗む、人種間の争いで兄弟が突然殺される、そんな彼らの境遇は「戦争状態」としか言いようがなく、アンネは他人ではないのです。
本はそんなエリンのクラスに在籍した延べ150人が書いた日記から構成されています。書くことを通して「寛容(tolerance)」に目覚めた生徒たちは次々に奇跡を起こすのですが、これはもう読んでもらうのがいい。くどくど書かない。
映画はヒラリー・スワンクの製作総指揮・主演で実現したそうで、これは近いうちに見なければならぬと思う。DVD出てる。
フリーダム・ライターズ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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