『Ship It!』

Ship It! ソフトウェアプロジェクト 成功のための達人式ガイドブック

Ship It! ソフトウェアプロジェクト 成功のための達人式ガイドブック

PragBookから出てた本で、いつもだったらpdfで買ったまま読まずに放置してたら原書が出ちゃったみたいな感じになりがちなんだけど、これは原書は買ってなくて邦訳が出たときにはじめて買ったもの。でも書いてあることは紹介記事とか他の人のレビューでなんとなく予想がついた気がしたので長いこと放置してあったのだが、部屋を片付けてたらたまたあ発掘して気が向いたので読んでみた。
結果。意外なほど心に響かない。なんでだろう。なんかこう、説教くさいというか、これを読んでなにかやろうという前向きな意思が湧いてこない感じ。職場で若手がアジャイルアジャイル騒いでるので話を聞いてみる気になった管理職はこんな気持ちになってたのかな、というような。
もちろん内容が悪いわけではない。XPの本とかPragProgとかで言われていたことをまとめなおしてコンパクトに記述してくれている。私にとっては、反対のしようがないようなことばかり。
何が缺けているんだろう? 同じようなテーマを扱ったChadの本『My Job Went To India』が本当に心の内側からどーーーんと響いてくるのに比べると、どうにもならんくらい素通りな感じ*1。というわけでまだ買ってない人はこの本よりもChadの本を読もう。
My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

My Job Went To India オフショア時代のソフトウェア開発者サバイバルガイド

こっちは文句なしにオススメだ。ここ最近のソフトウェア開発の本で、1冊だけ挙げろと言われたらまずこれ。Code CompleteよりPragProgよりXP2Eよりもこれがいい。特にRubyKaigi2007でDave Thomasのtalkに感動して泣いてしまった人には絶対にオススメ。もう一度泣いちゃうと思う。
『Ship It!』の感想だったのに話がそれてしまった。オーム社さん、ごめんなさい、訳書をDISっちゃいました。でもかわりに1冊プッシュしておいたからいいよね。許してください。

*1:この2冊は訳者が同じだから、翻訳のせいというわけでもないだろう。