斎藤美奈子『趣味は読書。』

趣味は読書。 (ちくま文庫)

文庫になってたので読みました。古今東西のベストセラー本、みんな読んでないだろうから著者がかわりに読んであげます、という素晴しい企画。ベストセラーをみんな読んでないという逆説は、ふだん本を読まない人が買うのがベストセラーになるから、という理屈で成り立っている。このような本を支えているのは善良な読者たち、本書のタイトルに「。」が付いているのもタレント本に群がる善良な読者たちを思ってのことでありましょう。
で、単行本時にこりゃいいやと思いつつ結局読んでなかったのだが、文庫落ち記念で読んでみたらこりゃほんとにいいわ。ずっとこの企画続けてくれればいいのに。『朗読者』と『鉄道員』はほんとに著者の思惑通りにびっくりしました。いやー、これでもう読まなくていいと思うと気が楽です。また、文庫化にあたって単行本時の各章にその後で出た本を1冊ずつ追加、これが笑えるほどすんなりハマってて違和感がない。
ちなみに本書で取り上げられてる中で私が買って読んだのは『ザ・ゴール』と『国家の品格』の2冊(これだけ)。『国家の〜』は買ってしまったことをやや後悔したが『ザ・ゴール』は気に入ってる。シリーズ4冊全て持ってるくらいで、いい本だと思う。中学生向けと言われればその通りだが、それくらいわかりやすい(わかった気になりやすい)ということで。それ以外に買ったけど読んでない本もあるのだが、それらは読む必要を感じなくなった(笑)。