ピエトラ・リボリ『あなたのTシャツはどこから来たのか?』

あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

あなたのTシャツはどこから来たのか?―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実

読んだ。アメリカ国内で販売されていたTシャツがどこから来たのかを遡っていったら、TシャツそのものはMade in Chinaで、その前のプリント、縫製、布、糸と戻って綿にいきつくまでは中国だった。さらに綿花を作っているところもそうかと思ったら、これは中国や他の新興国ではなかった。どこかというと、アメリカ(テキサス)だったという。これだけでも意外な、単純な市場原理では説明できない事態なのだが、調べていくとさらに意外なことがわかって、Tシャツをトレースすると経済というよりはむしろ政治が重要だったということが明らかになってしまう。
本書の中で、日本は繊維産業との関わりでもよく言及されてるんだけど、それ以外にソフトウェアのオフショアとか最近話題になってる他の自分に近い話題にもついつい引き寄せて考えてしまいます。そういう意味でも面白い。

ついでに、法律の規制を利用してビジネスの優位を築くというのは他にもいろいろな業界にあるのだろう、ということを想像してしまう。そういうのを人より早く見つけると儲かるんだろうなあ。前にTechCrunchに出てたAllFreeCallsとかが思い浮かんでしまった。