ラメズ・ナム著, 西尾香苗訳『超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』
- 作者: ラメズ・ナム,西尾香苗
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/11/11
- メディア: 単行本
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よくある生命倫理的批判を退けて、レオン・カスやフランシス・フクヤマなど慎重派の主張に真っ向から異を唱えます。それはもう気持ちよく。さらに著者は、人間を改良するさまざまな手法を積極的に推進することにより量産効果が働き、技術が大衆化することで格差の解消につながるのでそれを目指すべき、そういった努力が是非とも必要だ、と説きます。この部分がものすごいラジカル。かなり興奮しました。あと、現代の研究をばしばしreferするのでついていくのがけっこうタイヘン。読むのは体力要りました。でもそれだけの価値はある。著者の意見には立場的に賛成でも反対でもどちらであるかに関わらずおもしろいし勉強になると思う。
この日記で触れたことがあるかどうか思い出せないんだけど、2000年にBill Joyが書いた"Why the future doesn't need us."なんかとはまったく違った未来を想像することになります。どっちも読むべし。