山田真哉『食い逃げされてもバイトは雇うな』『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)

さおだけ屋〜』は出てからわりとすぐ読んでたのだけど、『食い逃げ〜』は出版直後にはスルーして、『〜大間違い』出版を機にまとめて売ってたのでついでに読んでみた。さおだけ屋同様この2冊とも、ものすごくサクサク読めます。ただ2冊の読後感はまるで違う。
上巻(〜雇うな)の方はとてもさおだけ的というか、会計的な考え方を実例に沿ってわかりやすく解説するという感じで、著者自身が1時間で読めるはず、と言ってるけど本を読み慣れている人なら30分くらいで読めちゃうだろうという読みやすさです。正直、立ち読みでもよかったと思う。
下巻は一転して「反会計」の書。計画とか予算とか効率化とかいった会計の常識について積極的に異議を紹介して、会計知識を乱用することへの警告を鳴らします。計画信仰をはっきりと否定的に書いているところなんか、本当に会計士の方の書いた本なのかと(いい意味で)疑ってしまいます。ただこういった常識の否定も、その元になる常識がしっかりと身についていないと意味がないというか、理解ができないと思う。そういう意味で3冊セットで読むのはいい感じかも知れない。
著者の『女子大生会計士』シリーズは未読なんだけど、それのキャラが出てきてるっぽい。そっちも読んでみようかなあ。