田中淳夫『割り箸はもったいない?』

タイトルだけ見て、割り箸をネタに最近よく話題になる環境問題に対する間違った対応を説明する本なのだろうと勝手に予想して中身を見ないで買った。要するに武田邦彦さんの著作などと同じようなものだと思い込んでたのだ。ところが実際に読んでみたらそうじゃなくて、本当に割り箸についての本だったので驚いた。もちろん予想していたような話も少しは出てくるのだけれど、それが主ではなく、あくまで主役は割り箸そのものである。視点が新しかったのでとても面白かった。
考えてみると私は全ての食事を外食に頼っているので、箸を使う機会のほとんど全てに割り箸を使っていることになる。家に塗り箸はない。最近また違う目的に割り箸を大量使用するようになってきたけど、中国産の割り箸って本当に安い。100円ショップで山ほど買える。話が逸れた。ともかくそんな状況でも、自国の食文化と密接に関わっている割り箸について意識的になることというのはあまりない。そういう体験の新鮮さも面白い良い本だった。