Bruce Tate著, 角谷信太郎訳『JavaからRubyへ』

JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド

JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド

というわけで献本頂いた本なので旬を外さないようにと思い、ざっと一読しました。予想はしていたけれど、これはいい本だなあ。『Better, Lighter, Faster Java』『Beyond Java』ときた著者の逡巡がひと段落して、実績とともに強固な確信に変わっていった過程がここに結晶している、という感じ。JavaRubyという具体的な素材を扱ってはいるけれど、技術の移り変わりにどう対応してゆくかという姿勢についてはこれ以外のケースでも共通していると思う。本書で触れられている技術者の振る舞い方には『My Job Went to India』で書かれているものと共通するところがたくさんあるので、これは普遍的な仕事の仕方の指針だと言ってよいだろう。
ただもちろん、著書が何冊もある成功したJavaコンサルタントであった著者が*1こんなふうに本という形にして他の人にも伝えていきたいと考えるくらいRubyの魅力というのが大きかったということはいえるだろう。

私自身は2年くらい前までJavaで仕事してたけどいまは違う。Javaから離れるにあたっては、転職するというやや豪快な手段を使ってしまった。Rubyの成熟度がいまとは違うので(Before Rails!)比べても意味がないけれど、その頃に本書のような落ち着いた対応を取っていればまた少し違った形になっていたかも知れないな、という風にも思える。

ちなみに、↑でえらそうに書いたけど『Beyond Java』は実は未読。あと『Better, Lighter, Faster Java』はその邦訳『軽快なJava』を買って途中まで読んだけどその後、id:t-wadaさんに売りつけました..。いまとなってはよい思い出です(?)。

Beyond Java: A Glimpse at the Future of Programming Languages

Beyond Java: A Glimpse at the Future of Programming Languages

Better, Faster, Lighter Java

Better, Faster, Lighter Java

軽快なJava―Better,Faster,Lighter Java

軽快なJava―Better,Faster,Lighter Java

*1:ついでにいうと実績豊富なJavaSIerだった訳者も