池田清彦『他人と深く関わらずに生きるには』

他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)

他人と深く関わらずに生きるには (新潮文庫)

こういった極論の人は好きである。自分の役割をわかっているということだよね。偏屈主張系として分類すると「生きにくい」を連発しながらも極めてコミュニケーション能力が高そうな中島義道さんなんかよりもずっと明快で、主張に同意できるかどうかとは独立に読んでてすがすがしい。そして実際、私もこの人の言うことと同じような意見だったりすることもけっこう多い。消費税を30%にしろとか車が来てないのに赤信号で止まってるやつはアホだとか、元本が2002年に出たとは思えないほど今の私の立場に近いことが書いてある(もちろん、賛成できないようなこともたくさん書いてある)。
みんながこの議論をふまえてくれると楽だから未読の人はぜひ読んでください。タダでさえ文庫なので安いし、いまどき珍しく(物理的に)薄い本であり、まさにスキマ時間にちょうどいい。