日垣隆『天才のヒラメキを見つけた!』『頭は必ず良くなる』

天才のヒラメキを見つけた! (WAC BUNKO)

天才のヒラメキを見つけた! (WAC BUNKO)

頭は必ず良くなる (ワックBUNKO)

頭は必ず良くなる (ワックBUNKO)

TBSラジオの『サイエンス・サイトーク』を下敷きにした対談本です。これまで2冊出ていて、対談の相手は1冊目の『天才の〜』が羽生善治川島隆太岡野雅行養老孟司畑村洋太郎、2冊目の『頭は〜』は池谷裕二、岸本裕史、佐藤達哉和田秀樹(全て敬称略)です。どちらも非常に面白い。例えば『天才〜』の冒頭でプロは棋譜をたくさん覚えているという話題(羽生さんは1万局以上覚えているという)からこんなことが聞けたりします。

羽生 将棋を覚えるのは、歌を覚えることと同じようなものなんです。
日垣 ああ、なるほど。
羽生 日垣さんや有村さんも経験があると思いますが、一つのメロディーが出てくると、次から次へと続けて思い出せますよね。それと似ていまして、ひとつながりの音楽を覚えるように次の一手次の一手……と覚えるんです。

うわーー、これ、なんてわかりやすい説明なんだろう。我々(て誰?)は数百曲ある歌の中からその場でリクエストもらって歌詞カードさえあれば楽譜なしでも弾き語りで歌っちゃう人の実例を知ってるので、それと同じだと思うと(すごいということに変わりはないけど)、どういうメカニズムで成り立っているのかはあっさり想像がついてしまいました。これはインパクトありました。他の人のも(引用しませんが)それぞれすごく面白いです。いい人たちが選ばれてるなあ。
1冊目の後書きにこのシリーズの成立過程が書いてあります。サイエンス・サイトークはかなり長く続いている番組で、以前にも新潮OH!文庫から本になって3冊出てたんだけど、その後止まってました。そのうちOH!文庫そのものがなくなってしまったそうで。そうだったのか。そういえば最近見てない。新潮新書が出来たから役割が中途半端になってしまったんですかね。ともあれWACのこのシリーズは続いて出て欲しいです。