島田裕巳『オウムと9.11』
- 作者: 島田裕巳
- 出版社/メーカー: メディアポート
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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オウムをテロリズムととらえて、なぜ可能だったのか、9/11との類似・関連、今後こういったことはまた起こる可能性があるのか、といったことを書いている。その中で、9/11の可能にした要因には赤軍経由で日本から自爆テロという手法が「輸出」されたからではないか? という可能性を検討している。
オウムについては、最初は単なる事故でありその隠蔽工作であったものがだんだんとエスカレートして歯止めがきかなくなった、フィードバックがない組織の不健全性が引き起こした大惨事であり、それを可能にしたのが宗教的な味付けだったというような説明。怒りを覚えるような矮小さだが、ひとつ前の『さよなら~』で語られている豊田出家の経緯と目的とはカンペキに呼応する。