エリコロウ『太ったインディアンの警告』
- 作者: エリコロウ
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/10
- メディア: 新書
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
そして、そういった少数民族がいまさらされている危機というのはそれ自体とてもひどいものだけど、それは炭鉱のカナリアのようなものであり、いまではアメリカ人全体に肥満やそれを原因とした各種生活習慣病の脅威が広がっているということも解説される。
実際、あっちに行くたびに食べきれないほどの分量が毎回出される食事に文字通り閉口してしまうわけだけど、こういう形で問題が顕在化しているのは知らなかった。著者(アメリカ在住)はアメリカ国内全体の傾向としてここ最近は明らかに「ふとった人」とみなされる基準が甘くなっている、ということも書いていて、これは過去5年間しかアメリカを知らない私でも感覚に合致する。どんどん太くなってる気がしてたから。
例えばRubyist(私が会う海外の人の典型)でもちょっと健康が心配になっちゃうレベルの人もいて、そういう人がRubyに対してもとても重要な貢献をしてたりすると、この人は糖尿病で死んじゃいかんよなあと考える。そういう人は家族連れて日本に移住してそこでRubyのコードを書いて生活してもらうことにすれば、少なくとも日本で出る食事は今よりは体にもやさしいだろう。そういうことがなんとかして出来ないだろうか? と半ば本気で考えてみたり。
話がそれた気がする。とにかくアメ食の恐ろしさを知りたい人はぜひ読んでほしい。社会的弱者が食文化でさらされているリスクという点ではシュローサーの本につながるものがある。後半にはさすがにこの現状を問題ありととらえた政府や各種NPOが現在とっている具体的な対策なども解説されています。暗い話だけではないのでそこだけはご安心を。