土方薫『文系人間のための金融工学の本』
- 作者: 土方薫
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2004/01/15
- メディア: 単行本
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それはともかく、これは文系人間だけじゃなく、そこそこ理系の私にもとてもわかりやすくて面白かった。デリバティブというものが難しいというイメージを持たれているのを、わかりやすく解説してみようというコンセプトの本なのであるが、はまちスワップなどの秀逸な例を出しながらデリバティブの仕組み、はてはオプションの価格理論までをなんとなく説明してしまう。トレーダという人はこんなことを考えてるというのも、仕組みと心理の両面から(簡略化されてるにしろ)説明しきっているような気がする。そして行動心理学的に判断を間違いがちな場合というのを例示していて、このへんがもう1冊の(もともと読みたかった方の)本につながっていくのかなあ、という感じ。金融工学と経営学というものがはじめてリアルに繋った気がします。