梅田望夫『シリコンバレーは私をどう変えたか』

シリコンバレーは私をどう変えたか―起業の聖地での知的格闘記

シリコンバレーは私をどう変えたか―起業の聖地での知的格闘記

ウェブ進化論出版記念イベントの前に、梅田さんの考えをおさらいしておきたくて、書いたものにざーっと目を通そうと思ったので、引っ張り出してきて再読しました。これはむちゃくちゃいい本だなあ。オススメです。
新しい本と読み比べると梅田さんの変化がよくわかる。ウェブ進化論が先進的すぎる、という場合にはこの本が導入編として読めると思う。もとになったのは新潮社のフォーサイトの連載なんだけど、この連載をしている間に独立してコンサルティング会社を起業したり、本の終わり頃にはベンチャーキャピタルを作ってしまったりする。その変化をまとまったボリュームで読むと熱く込み上げてくるものがあります。
あと、この本のもうひとつ重要な題材がLinuxです。MSがplatformを握って絶対的な力を持っている中で、Linuxという「変なもの」がどう広まっていったか、また、シリコンバレーの成熟した資本構造にどう組み込まれていったか、といったことが解説されています。MS論として読める。ちょうとGoogle台頭前夜くらいまでをまとめた本なので、新しい本(こちらはGoogle論が主役)ときれいに役割が分かれています。