藤原正彦・小川洋子『世にも美しい数学入門』

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

2人の対談形式で数学について語っている本。江夏の背番号が28だった偶然に涙ぐんでしまうのが数学科的感覚です。26年片想いを引っぱるのもそうなのかはよくわからん。とにかく読むと泣く。
小川洋子さんが『博士の愛した数式』を書くときに藤原正彦先生(数学者にさんづけはしにくい)のところに取材に行ったのだそうな。NHKの人間講座で見たのがきっかけ。藤原先生の一連の著作(アメリカ、ケンブリッジ他)は青春文学みたいな感じで評価されてるみたいですが(私は学部の頃に文庫で集中して読みました)、ここで1冊ピックアップするならそっちの青春系じゃなくてやっぱり上の本でも取り上げられている『天才の栄光と挫折』がいいかな。
ニュートン関孝和ラマヌジャンチューリングワイルズなどなどを1章1名ずつ全9章、時代も分野もバラバラなのだけれどやはり数学者というのが独特の共通点になってるのをあらためて意識した。数学者に囲まれてた頃(あったんです、そんな時代が)は差異にばっかり目が行ったんですが。
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