『シェーキーの子どもたち』

今日も読んでる暇がないので昔読んだ本を引っ張り出してくる。一昨日、昨日からの脳つながりでこれ。

シェーキーの子どもたち―人間の知性を超えるロボット誕生はあるのか

シェーキーの子どもたち―人間の知性を超えるロボット誕生はあるのか

著者はCMUのロボティクスの先生で、シェーキーというのはStanfordで著者らが研究していた実在したロボットです。本の前半では、このシェーキーから連なるロボット研究の最新事情までをドラマチックに解説しています。
で、後半がこの本のメイン、未来予測というかヴィジョンを示しているところなんだけど、これがすごすぎる。この調子でロボットが処理能力を向上させていくとしたとき、人間並みの処理能力を得ることは可能か? そのために必要な演算能力はどれくらいか? それは知性と言えるのか? 等々から始まって、機械がいずれは人間の知能を上回るであろうことは不可避とし、その上で人間の進化をどう関わってくるか? そもそも人類とは? 等々..。
急にSFになってしまうのだ。それもフィクションよりフィクションらしいフィクション。語り口が絶妙でぐいぐい読ませるので、そんな未来を「見てみたい」と思わせてしまう。もちろん不安はあるが、著者は楽天的。
あれ? あんまり脳と関係なかったぞ。でも例えばジェフ・ホーキンスの『考える脳 考えるコンピューター』を読んだときにまっさきに連想したのはこの本だった。
手元の記録では、20020317に読み終わっているようです。読み終わった直後はとにかく興奮して眠れなかった覚えがある。この頃ははてなダイアリーもなかったし、web上ではどこにも読書記録が書かれていない。