武田邦彦著『リサイクル幻想』文春新書
- 作者: 武田邦彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/10
- メディア: 新書
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と同時に本書に感情的な反発がたくさん出たであろうことも予想出来る。エネルギー保存則、熱力学第2法則という当り前の前提がいかに軽んじられているか、というのは考えるとかなり憂鬱になるんだけどひるんじゃいけないという気分になる本。ひとつひとつ論破していかなきゃいけない。
例えばaskulでは再生紙よりも普通紙の方が安いんだけど、この安いということの意味を考えてみると、原材料費・加工費・運送費などの様々な費用が積み重ねられたエネルギーの差を反映していて、そのエネルギーはもとはと言えば太陽光が形を変えて自然環境中に蓄積したものを消費して得られるものなのであるわけで、価格が安いというのはこの蓄積を使用してエントロピーが増大する割合が小さいということを意味することになる。つまり「値段が高い」再生紙は環境負荷も高いのは当り前。他にも蓄積型エネルギーと生産型(本書では給料型)エネルギーの違いなどの本質的な差があって、実際に再生紙を利用することにはほとんど意味がない。というよりは害があるから止めた方がいい。ではどうすれば良いかというと、燃やしてその熱量で発電する。リサイクル施設より発電所作れ。という主張をしている。