エリコロウ『太ったインディアンの警告』

太ったインディアンの警告 (生活人新書)

太ったインディアンの警告 (生活人新書)

怖い話。この本を読むまで全く知らなかったんだけど、アメリカインディアンはアメリカ人全体よりも著しく肥満率が高く、糖尿病での致死率も高いのだそうで。これは、アメリカ先住民が(半ば強制的に)白人文化に同化させられたわけだけどその際に食生活が精製穀物、肉食中心(その典型がファーストフード)の白人食が導入されたこと、にも関わらず、生活水準が低いままだったために医療機関や健康産業の恩恵を受けられらなかったこと、などが原因になって起きたようだ。自ら意図したわけでもないのにそのような食生活を送らざるをえなかった人々が、特に少数民族を中心に、いま危機にさらされているということである。
そして、そういった少数民族がいまさらされている危機というのはそれ自体とてもひどいものだけど、それは炭鉱のカナリアのようなものであり、いまではアメリカ人全体に肥満やそれを原因とした各種生活習慣病の脅威が広がっているということも解説される。
実際、あっちに行くたびに食べきれないほどの分量が毎回出される食事に文字通り閉口してしまうわけだけど、こういう形で問題が顕在化しているのは知らなかった。著者(アメリカ在住)はアメリカ国内全体の傾向としてここ最近は明らかに「ふとった人」とみなされる基準が甘くなっている、ということも書いていて、これは過去5年間しかアメリカを知らない私でも感覚に合致する。どんどん太くなってる気がしてたから。
例えばRubyist(私が会う海外の人の典型)でもちょっと健康が心配になっちゃうレベルの人もいて、そういう人がRubyに対してもとても重要な貢献をしてたりすると、この人は糖尿病で死んじゃいかんよなあと考える。そういう人は家族連れて日本に移住してそこでRubyのコードを書いて生活してもらうことにすれば、少なくとも日本で出る食事は今よりは体にもやさしいだろう。そういうことがなんとかして出来ないだろうか? と半ば本気で考えてみたり。
話がそれた気がする。とにかくアメ食の恐ろしさを知りたい人はぜひ読んでほしい。社会的弱者が食文化でさらされているリスクという点ではシュローサーの本につながるものがある。後半にはさすがにこの現状を問題ありととらえた政府や各種NPOが現在とっている具体的な対策なども解説されています。暗い話だけではないのでそこだけはご安心を。

遊佐未森『休暇小屋』

遊佐未森のYMC移籍後アルバム第一弾です。遊佐さんと浩子さんが同じ事務所になる日がくるとは..。それはともかく、先々月頃に浩子さんのページからリンク見て買おうかなーと思ってamazonにお願いしてたんだけど、入荷が2回3回と遅れまくって、そうこうしているうちに出先のタワレコで発見したのでキャンセルして買ってしまった。ライヴ会場でもネットでもないお店でCD買うの超久しぶりな気がする。*1
この初回限定パッケージでは、NHKみんなのうたで流れた『クロ』の映像DVDがオマケで付いてくる。これがすごーーーくいい。ちょっと急展開で泣いちゃう。たぶんYouTubeにもあるだろうと思ったらほんとにあったので見ましょうー。絵はおーなり由子さん。これはシングルも出てます。
クロ

クロ

*1:嘘だった。ゲドとかテル猫とかしこたま買っ..。